塗料について
塗料とは
塗料は、建物・構造物(橋梁・タンクなど)・船舶・道路車両・電気機械・金属製品・木工製品その他と、広い 範囲に使われています。
塗料の役割
塗料は保護、美粧、特殊機能の3つの役割を持っており、被塗物を美しく長持ちさせる役割があります。
保護機能
金属は錆びてぼろぼろになり、木は朽ち果てて自然の土に戻ろうとし、ブロックやコンクリートは風化してしまうのが自然の摂理です。また、海岸地域では塩害や強い紫外線、工場地域においては種々の薬品を含んだ排気ガスなどの影響で、腐食はさらに加速され大きなダメージとなります。塗料はこの様な自然現象や悪環境から「塗装されるものを守る」という働きをします。塗料をものの表面に塗ることによって、丈夫な膜をつくり、あらゆるものを保護します。あらゆるものを健全に維持していくために、塗装による表面保護は欠くことのできない手段となっています。
美粧
塗装には、美しく見せたり物の値打ちを上げる美粧機能があります。色彩・光沢・平滑性・立体的なテクスチャ仕上げなど…多様化された世の中のニーズに応えています。色彩の上手な利用によって、イメージアップのための色彩、周辺の環境と調和した色彩、働きやすい環境づくりのための色彩など快適な環境づくりに役立っています。これらは、色彩計画(カラーコンディショニング、カラープランニング)と呼ばれ、自然科学の分野ともなっています。
特殊機能
保護と美粧の機能に加えて、特殊な機能を持たせた多機能塗料があります。これらはい分野に応用されていて、機能、経済性(省力・省エネルギー・省資源)、安全性の向上、環境保全…などに役立っており、技術の高度化、多様化、新素材の開発、普及…などによって、新しい機能を持つ塗料が続々と開発されています。
機能分野 | 項目 |
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電機・磁気的機能 | 導電、電磁波シールド、電波吸収、磁性、プリント回路、IC用、帯電防止、電気絶縁 |
熱的機能 | 耐熱、遮熱、耐火、太陽熱吸収、示温、熱線反射 |
光学的機能 | 蛍光、蓄光、光再帰反射、遠赤外線反射と吸収、紫外線遮断、光伝導 |
物理的機能 | 弾性、貼紙防止、落書き防止、防滑、潤滑、油塵易除去、結露防止、着氷固着防止、調湿、 凍害防止、透湿、自己修復、ひび割れ防止、防水、ガラス飛散防止、コンクリートはく落防止 |
生物的機能 | 抗菌、防カビ、防藻、防虫、防汚、水産養殖、動物忌避 |
科学的機能 | 消臭、ガス選択吸収、中性化防止、汚染防止、光触媒、耐薬品性 |
その他 | 防音、制振、放射能防御、貼る塗料 |
塗料の構成
塗膜成分 | 顔料 | 水・油・溶剤に溶けない着色微粉末。色彩や隠ぺい力を与える。 着色無機有機・体質・さび止め・金属粉・つや消し |
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樹脂 | 顔料を均一に分散させ、厚み・強じん性・光沢・耐久性を与える。 植物油・天然樹脂・合成樹脂・硝化綿など |
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添加剤 | 塗装膜の性能向上。可塑・乾燥・沈殿防止・色分れ防止・レべリング・消泡など | |
非塗膜成分 | 溶剤 | 塗料の粘度調整・蒸発速度を調整する。非塗膜成分。 アルコール・エーテル・ケトン |
塗料の種類
粘度 | 塗料の種類 | 塗料の用途 | 一般的な使用塗料名 |
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低粘度 | ラッカー | 鉄骨塗装 | さび止め塗料・フタル酸 |
フタル酸樹脂塗料 | 機械塗装 | エナメル・フタル酸 | |
メラミン | 電気機器 | メラミン・アクリル樹脂 | |
アクリルなど | 車両塗装 | ラッカー・ウレタン・電着塗料・プライマー | |
中粘度 | シーラー | 木工塗装 | ニス・ビニル樹脂・ポリウレタン・ポリエステル |
一般さび止め塗料 | 建築塗装 | シーラー・弾性タイル・リシン | |
水性塗料 | 造船塗装 | エポキシ・塩化ゴム | |
油性塗料 | 重防蝕塗装 | ジンクリッチ・アルマネーション・タールエポ | |
合成樹脂塗料 | 陶磁器塗装 | 釉薬・琺瑯 | |
高粘度 | 鉛丹さび止め塗料 | 注.高粘度塗料は光や熱、防水や耐候性・防食性をだすのが目的で、塗装膜が厚塗りで性能を出す為エアレスが使用されるケースが多い。エアレス用に設計される塗料も多くある。 注.低・中粘度塗料は作業性や作業環境、作業コストの兼ね合いでローラー、刷毛、エアレスなどが使用されるが上塗りで仕上がり品質が要求される用途にはスプレーガンが使用されるケースが多い。 |
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船底塗料 | |||
塩化ビニール | |||
アクリルフィラー | |||
エポキシ樹脂塗料 | |||
タールエポキシ | |||
単層弾性塗料 | |||
ジンクリッチ塗料 | |||
屋根用重防蝕塗料 |